今回は、都心を流れる川をぐるりと一周、船でまわるという見聞録です。
江戸時代に造られた外堀りの石垣、明治時代や昭和初期の橋が現代に残す
爪痕、そしてパナマ運河の水位調整体験!!
一気に400年ほどの歴史のタイムトリップをさせていただきました。
タイムトリップ。。
というか、川を渡ると様々な時代が混在し、共生している上で今の私たちの
生活(特に交通、鉄道)が成り立っていることを痛感しました。
おそらくは、昔からすでに成り立っていたインフラを流用してバージョン
アップさせていることの繰り返しという見方もできるかもしれませんが、
一方で必然性も感じられるような、奥深い興味をそそられる経験となりました。
パナマ運河方式の運河については、治水、水害対策を考えると理にかなった
方式ですし、実際に水位調整を経験することで本家のパナマ運河もより一層
分かりやすくイメージが出来ました。(規模は相当ちがいますけど)
外堀の石垣は、江戸時代に各地の藩が集まって作られたもの。
切り出された石に刻まれた藩の印が約400年経った今でもしっかりと残って
います。
途中、開発によりコンクリートで埋められてしまった部分もありますが、
こうして共生している姿を目の当たりにすると、藩の印が神々しくも感じ
られます。
川からの眺めは地上から見るものとまた角度も距離感もちがうので、より
生で見ている感覚になります。ただ眺めているだけで、当時の風景を思い
描いてしまいます。
橋脚は、船からでしか見られない特別感もあり、その期待を裏切らない程
どの橋も個性豊かな構造となっていました。
どの橋も、震災や空襲などの試練を乗り越えて今もしっかりと生活を支え
ていると考えると感動すら覚えます。
上の写真の木材を使った橋は、東日本大震災で残念ながら壊れてしまった
そうですが、改めて木材で修復しているところに「粋な根性」を感じま
した。
どの橋脚も造形美を感じるもので、当時の設計に関わった方々のこだわり
が伝わります。メンテナンスも行き届いているため、衰えを感じさせない
美魔女のようです。
歴史を刻んだどの橋も数々の試練を乗り越えていますが、爪痕という面で
最も印象に残ったのは日本橋でした。
江戸時代から商業の中心地として存在し続けている日本橋は、何度も焼失
しては建て直され、今は夜になるとライトアップされる美しい橋ですが、
その橋の裏側は関東大震災や東京大空襲で焼けた船が通ったため、今も
黒く焼け焦げた爪痕を残していました。
残念ながら用意していたスマホのバッテリーが異常に早く切れたため、
一部しかお伝え出来ませんが、やはり「百聞は一見に如かず」。
特に人の作り上げた歴史的なものは、自分の五感を使って受け止める他に
ありません。だからこそ面白いと思えるのではと。